ぼーちゃんの英国医学留学な日々

2019年4月~Royal Brompton Hospitalに臨床留学中の循環器内科医のブログです

苦難の銀行口座開設①

こんにちは。今日はなんだか一日徒労に終わってぐったりのぼーちゃんです。

イギリスの銀行口座開設は難しいとは聞いていましたが、これほどとは。。。ちなみにまだ開けていないので、今日は①です。

 

私のRoyal Bromptonでの立場は、an Honorary Clinical Fellowといいます。これは無償で働く研修医みたいな意味を持つようで、イギリス国内の病院や大学で共通した役職のようです。タダ働きに「Honorary=名誉」とかつけるあたりがブラック感すごいなと思っていたのですが(;'∀')

これがまた!学生ではないけどお金貰って働く社会人じゃない、みたいなえらい中途半端な立場で、いろいろな手続き時に説明しにくいことこの上なしなのです!

 

さて、日本から生活費を送金してもらうため、給料は出ないですが銀行口座を開かねばなりません。いろいろな方のブログなどを参考にしたのですが、皆さん苦労されているようで。。。最初からかなりビビりモードでスタートしました。

イギリスには4大銀行というのがあるそうで、HSBC、NatWest、Lloyds TSB、Barclaysの4社です。確かに街でもよくこれらの看板を見かけます。

比較的親切、と紹介されていたBarclaysが自宅からはもっとも近いので、まずはBarclaysにアプローチしてみました。

ネットから面談を予約できると聞いたので、さっそくアクセスしてapplication formをポチポチ。。。で、最後の最後に支店を選んで予約するところまで行くのですが、なぜか毎回「残念ながらエラーです」と出てしまい予約ができない!しかも自宅の最寄りの支店は小さいせいか、予約時間すら出てこない!

仕方なく、職場から徒歩10分のSouth Kensington駅前にあるやや大きめの支店に直接攻撃に出ました。

店内に入って恐る恐る伺っていると、金髪のきれいなお姉さんが「何か御用ですか?」と声を掛けてくれたので、「口座を開設したいです」と言ったら、「学生さんですか?」と。いやいや働いてます、社会人です、そこのRoyal Bromptonに来ている日本人ドクターです。なんですが、お給料はもらっていなくて、日本から送金してもらうのに講座を開きたいんです。と道々考えていた内容をぶつけてみる。すると親切に、必要な書類をノートに書いてくれるお姉さん。

先人たちのブログでありとあらゆる書類が必要書類として紹介されていたのでかなりビビっていたのですが、お姉さんが書いてくれたのはただ職場からのLetterとpassportのみ。職場からのLetterには自分の住所や病院内での地位、給料などについて書いてもらってボスのサインをもらえばよいとのこと。

これも先人たちのブログで見た限り、店舗によって、店員さんによって必要書類がコロコロ変わるとも聞いていたので、お姉さんから聞いたよ!っていう証明のため、名前も書いてもらいました。そして予約を取得。一番早くて4日後とのことでそこに一旦とったのですが、帰ろうとして道を歩きながら「いや待てよ。。。果たして人事部がそんなに早く書類をくれるものだろうか???しかもProfが今週院内にいるかどうかわからない。。。」と思い直し、引き返して1週間後の今日に予約を変更してもらいました。

f:id:bow-chan:20190430045419j:plain

フランチェスカさんが書いてくれたメモ。。。一部読めない(苦笑)

 

そして病院の人事部と秘書さんにCcつけて、こういう書類ください!来週の月曜日にアポがあるからそれまでに絶対ください!みたいな文面でメールを送ってみました。

が!案の定、待てど暮らせど返事が来ず。。。秘書さんのVivは月・水・金しか出勤して来ないパートタイマー。なので、先週の木曜日の時点でVivに「明日か月曜日に書類貰えないと銀行に行けない~」とメールしたところ、金曜朝から人事部に攻勢をかけてくれました。電話や直接行って頼んでくれたようです。

私は金曜午後にNational Insurance Number取得のための面談(これも厄介だったので後日書きます)で病院には不在だったのですが、午後になり「あなたの職名が不明です」と人事部からメール一通。すぐに上記の「名誉職」ですと送ったのですが、その後返事なく週末に突入。。。

そして今日月曜日、昼に突然教授に呼び出されたのでOfficeのあたりをうろうろしていたら、Vivに会い「Kana!書類貰えた?」と聞かれ、「No...not yet」と答えるとVivが怒り心頭!「一緒に人事部行くよ!」とついてきてくれました。入り口で担当者のAnthonyなる若いお兄さんを呼ぶと「忙しくてごめんね」みたいな感じで、すぐやるから座って待ってて~と。

すぐやれるなら、なぜやらぬ!!!(# ゚Д゚)

とは英語で言えず、おとなしく待つこと5分。かなりシンプルですが一応ほしい情報は書いたものをくれたので、それを持って教授の部屋へ!なんだか知らない偉い先生に紹介され、初めてprojectに関わる話をされ、聞き逃したら終わる!と全身ダンボで拝聴。とにかくファロー四徴症のエコーデータを多量に集めていくstudyとのことで、その手伝いをするようにとのことだったのですが、まだカルテ見るIDを貰えていないぼー。

IDを入手するためには前述のNI number(マイナンバーみたいなものです)かGMC(イギリスの医師免許です、これ取得を目指して勉強中です)が必要、とVivから聞いていたので、まだNI numberが手に入らないので~といったところ「いやそんなはずはないけどな、もう一回人事部に行っておいで」と。

そんなの交渉できる気がしない。。。とVivに泣きついて一緒に行ってもらうも、怖い顔のおばちゃんに「書類が受理されてません!」(@_@;)なんですと~!?去年の秋に苦労して書きあげ、前の秘書さんに送っていたのに、まさかの部外者扱い!?

さすがにVivが応戦してくれ、その後必要書類をもう一度揃えてくれる運びになったので、なんとか数日以内にはこれはなんとかなりそうで安堵。。。

まあProjectはまだいろいろ他のProfとも相談してから始まるようなので、とりあえずいきなり外されたりすることはなさそうですが。。。うーん、不安。

 

そして銀行に戻りますが、無事にProfのサインももらえて、意気揚々とBarclaysへ!

予約していたためすんなりと黒人のお兄さんが対応してはくれたのですが。。。一目見るなり、「病院に在籍する期間が書いてないと、これは受理できないよ」Σ(・ω・ノ)ノ!ええっ!?だってフランチェスカはそんなこと言ってなかったよ!ほらほら、見て見て!名前も書いてもらったもん!→「彼女は知らなかったんだね。学生用の口座ならこれでいいんだけど、学生じゃないんでしょ?」

学生では。。。確かにない。

じゃあこのInvitation letterを付けたらどう?期間書いてあるよ?と見せてみると、「1枚にまとめて書いていないとね~」と残念そうに首を振るお兄さん。でもでも、人事部にこれ交渉するの大変だったのよ!うちのボス忙しくてなかなか院内にいないし!といろいろ訴えると、「じゃあもう一回確認するからちょっと待って」と。

奥に引っ込んだりしていろいろ見てくれたようなのですが、やっぱりだめだそうで、その他住宅の契約書とか手持ちの書類は全部出してみたのですが「住所証明できない」んだそうです。

くそ~!

先人たちのブログで、まず我々に立ちはだかるのが「住所証明」と聞いてはいました。これはもちろん、住んでいる住所の証明なのですが、日本のように役場に住民登録とかしているわけではないのでお役所では発行してくれません。一番確実なのは「賃貸の契約証明書」のような気がするのですが、なぜか多くの銀行ではこれが住所証明とは認められないのです。Barclaysもご多分に漏れず。。。

それよりも公共料金の請求書がなぜか重要視されるそうなのですが、イギリスの請求書は3~6カ月に1回しか届きません!なのでうちにはまだ何の請求書も来ません!こんなの住み始めてすぐに入手できる奴がいたら顔を見たい!!

「すぐ裏にあるNatwestなら住宅の契約書でも大丈夫なはずだから、行ってみれば?」と一応お兄さんが勧めてくれたので(ライバル店にお客を誘導するという信じがたい暴挙)、いったんそちらに行ってみる。しかし閉店前の夕方のせいか、ひとつしかない窓口に7~8人は並んでおり、窓口のお姉さんは眉間のシワはあたかも日本海溝のよう。。。すっかり心が折れてもう一度Barclaysで「書類書き直してもらってくるから、予約もう一回とらせて」と言いに行きました。

するとそこでもう一度いろいろと調べ、どのように書類を直してもらったらいいか、お兄さんが直接書き込んでくれたのですが。例の「名誉職」を消して、「Parmanent working」と書いてもらえと言います。え、でもワタクシ2年しか働かないって言ったじゃん?意味違うのか?と思い、Parmanentって?と聞き返すと、Google翻訳まで持ち出して説明してくれる。しかしやはり永久就職みたいな意味しか出てこない。それは知ってるんだけど。。。私は違うよね?と聞いたら、「違うのはわかってるけど、書類上必要だからそう書いてもらって~。書けたら一度持ってきて見せて。それで大丈夫ならまたアポイント取るよ」みたいな。

首をかしげながらも病院に戻り、今度は単独で人事部へ突入。Anthonyに説明したら「いやいや、嘘は書けないよ」。。。ですよね?わたしもそう言ったんですよ!

すると「もう一回書き直してあげるから、MetrobankかLloydsに行ってごらん。他の人も同じようなの持って行ってるから。多分大丈夫だし、ダメだったらまた書き換えるから明日持ってきて」と意外に親切なAnthony兄貴。

もはや17時近かったのですが、ままよ!とそのまま病院前のMetrobankへ。ここは母の従弟もメインバンクにしているとのことだったのですが、入り口で説明したところ「Visa見せて~」と言われ、BRPカードを見せたら「残念ながらVisaが1年以内に切れてしまうので対応できません」と。Visaについても後日書きますが、私は現在Academic Visitorという大学職員が客員研究員として滞在する1年のVisaを取っていまして、今年度最後にいったん日本に戻って労働用のTier 5を取り直す予定だったので、そのように説明したのですが、ものすごく丁寧にお断りされてしまいました。。。慇懃無礼ってやつかな?と心が荒むぼー。

このあたりから疲れでヤサグレ気味になり、そのまま何も考えずに向かいにあったNatwestへ。あと5分で閉店のためか、あからさまに迷惑そうなおじさん。とにかく面談するにはネットで予約して~とのことだったので、このあたりで体力限界。。。と今日は諦めました(´;ω;`)ウゥゥ

 

その後自宅で調べたところ、やはり店舗や担当の人によって対応が大きく変わるようです。ほんと勘弁しろよイギリス。。。全職員に教育が徹底されている、なんていうのは日本だけなのでしょうかね。人事部も含めて!

でもブログをもう一回さらっていたら17回も銀行に行ったという歴戦の勇者もいるようなので、わたしなんかまだまだ2回!とポジティブに考えていきたいと思います。とりあえず今度は日本人に優しいと噂のLloyds銀行にapplyしてみました。

 

日本では「ドクターです」と言うと、特に栃木で「自治医大のドクター」なんて名乗ると、絶大な信頼感で対応してもらえたのが嘘のようです。。。そこらへんをうろちょろしている小学生以下の市民権です。。。切ない。

なにくそ!と思い、今日も猛勉強してから寝ます!!