ぼーちゃんの英国医学留学な日々

2019年4月~Royal Brompton Hospitalに臨床留学中の循環器内科医のブログです

ついに第一ネコ発見!と、病棟での驚きあれこれ。。。

先週、ついに生きているネコを発見しました!!

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お店の窓際にいました!!

犬は出勤するだけでも何頭も見かけるのに、ほんっとーにネコはいなくて、諦めかけていたのですが、East endのAngel駅近くにあるCamden Passageというアンティークマーケットの近くで見かけました。良かった、ミイラ以外のネコがいてくれて。。。

 

さて、だんだん病院での1週間のリズムがつかめてきました。今のところひたすら見学しているのみですが、英語を聞き取るのに必死なので、幸いまったく退屈しません。

月:9~13時頃 病棟回診

火:9~12時半頃 病棟回診→12時半~13時半 形態学講義→外来やエコー

水:9時半~13時頃 教育的な病棟回診→外来

木:9時~カテ→外来

金:8~10時 ACHDカンファレンス→10~13時 教授外来→14~16時 PHカンファレンス

だいたいこんな感じです。

とにかく病棟と外来でひたすら上のドクターの検討を聞いたり、解説を聞いたりしています。

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病棟の様子。けっこう古い建物なので廊下は狭いです。

今はそんなに患者さんは多くなく、ACHDだけでは6~8人程度、PHの患者さんも5~6人にいるのですが、PHはまたチームが違うので一緒に回診は見られません。

毎週病棟担当のConsultant(専門医、オーベンって感じです)が決まっており、その人が毎日9~10時くらいにダラっと病棟に現れ、Clinical fellow(資格を持ってる外国人ドクター、ぼーもこれになりたい)もしくはUK出身のローテーター(だと思われる人たち)を助手に、ものすごい時間を費やしてひとりひとりカルテのチェックと、ベッドサイドでの診察を行っていきます。毎日教授回診してるみたいな感覚ですね。

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ナースステーションには大きなホワイトボードがあり、患者さんの一覧を見ることができます。が、字が汚くて読めない。。。

ちなみに写真右の青いカテ着を着用している女性の先生が、先週のConsultantのジャスティーナ先生です。顔半分だけ写っている男性が、先輩風を吹かせてくるが意外といい人なスペイン人のパブロです。右奥の小部屋みたいなところが一応、医師室みたいなPCが4台くらいあるお部屋で、ここに6人くらいでいるとものすごい暑いです(笑)

ご覧の通り、誰も白衣やスクラブを着ていません。。。まずはこれがカルチャーショックでした。一応白衣も持っては来ましたが、今のところ医局の段ボール内に眠らせてあります。でもぼーはメモ帳を入れたりスマホを入れたりするポケットが欲しいので、堂々と日本で来ていたキャラクターもののスクラブを着用しています!(ときどき、いいスクラブだねとか、見ず知らずの人に誉められます☆)

看護師さんはブルーの細かいストライプの制服があり、皆さんそれを着用しています。

 

そして以前にも書いた通りまさかの「紙カルテ」です!

カルテには患者さんの検温チャートやin/outバランスを手書きで書きこんだり、同意書を挟み込んだりしてある「青ファイル」(勝手にぼーがつけた俗称)と、医師が日々の記録を書く「紫ファイル」があります。青ファイルは患者さんのベッドサイドに置いてあり、看護師さんが検温するとそこに手書きで血圧など書いておいてくれます。in/outバランスも手計算です、めんど。。。(+_+)

回診していると、助手のfellowは紫ファイルに、Consultantのしゃべる所見とか情報をガシガシ筆記体で書いていきます。これがまあ。。。読めない読めない(;'∀') あれできるようになるのかなあ。。。と不安がよぎります。ファイルの閉じ方も汚いし、それ以前にファイルの金具部分があまりにも粗なつくりで、ほんとーに見てるとイライラします(笑)

ちなみに「カルテ」はもちろんドイツ語なので誰も使いません。というか、あのファイルのことを皆が何と呼んでいるのか、未だによくわかりません(;^ω^) BookとかFileとか言っているような感じがするのですが、手つきで「誰それのちょうだい」みたいに指示されるので。もちろん、患者さんのこともファーストネーム呼び捨てです☆

 

そしてさらに驚くなかれ、ドクターは誰もPHSを持っていません!まさかの「ポケベル」です!!21世紀にもなって!?

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こちらが現役バリバリのポケベルになります。しかも結構デカい!

ご覧の通り、PCのマウスと同程度のサイズがあります。

これがピーピー鳴ると、小さな液晶画面を見てどこからの連絡か確認し、手近な固定電話からコールバックするようです。たまにコールバックせずに無視していることもあります。いいのかなあ。。。(;^_^A

う~ん、ほんとになんというか。。。進んでるんだか遅れてるんだか、よくわからないところです。

 

そしてどうやら、誰もサマリー的なものを書かないようです。。。

患者さんの情報はひたすら、GPや他の病院からの紹介状を読みます。紹介状は書き方が決まっているようで、最初にProblem listが必ず書かれているため、我々には貴重な情報源です(手書きカルテが読めないから( ;∀;))

 

患者さんのベッドサイドも驚きに満ちています。何しろ、持ち込み食がFreeすぎます!

ACHDの入院さんたちですから、もちろんほぼ全員が右心不全あるいは体心室不全です。当然、frosemide(フロセマイド、と発音します)やMilrinoneを持続静注したり、飲水量、尿量を毎日チェックし、一喜一憂しています。

が!!

ほぼすべての患者さんのサイドテーブルに、ペプシの2Lペットボトルやクランベリージュースやら大量の飲み物と、下手するとポテチの大袋、果物、イースターの馬鹿でかい卵型チョコ、レトルトのラザニア?まで。。。なんでもござれなのです!!

いや、フロセミド増やす前に食事制限しろよ!!(; ・`д・´)

初日から総ツッコミな気持ちでいたのですが、案の定カンファでも「〇〇は体重が減らないね、おしっこ出てるのに」「だって昨日も彼、チップスの大袋食べてたしね」「ハハハ」みたいな会話が当たり前に交わされたりしていました。

INCREDIBLE(信じられな―い)です!!

ただその後、昼食時に患者さんの食事をのぞいてみたら。。。う~ん、確かに持ち込みたくなるかも。。。っていうような、謎のイギリスごはんだったので、ある程度は仕方ないのかもしれません(-_-;)

 

それから、先週は不思議な単位に翻弄されました(笑)

カテの患者さんの情報を紹介状から読み解こうとしていたところ「彼女はこの3カ月で3 stonesの体重を落としました」。

Whats???

これにはレチシアとビクトリアも???だったのでさっそくWikiで調べてみると、「ストーン」とは現在イギリスのみで使われている重さの単位なのだそうです。主に体重にしか使わず、1ストーン=6.35029318 Kgだそうです。14ポンドが1ストーン、8ストーンが1ハンドレッドウェイトになるそうです(なんのこっちゃ。。。) 「医学分野ではキログラムに置き換えられて書かれる」と書いてありますが、いやいやめっちゃ使ってるやん!! Wiki先生によると例えば「158ポンド」とうよりも「11ストーン4」ということのほうが多い、だそうです。意味わからん!!

しかし、さんざん3人で意味わから―んと言い合った後、はたっと気づくぼー。

「あ、わたしも部屋の広さ、畳でしか数えられない。。。」

痛恨の自己申告をすると、2人が「いやいやでも畳ってちゃんと全国共通でサイズ決まってるんでしょ?」「でも、石って!石ってさ!!」「じゃあ私の腎臓結石も1ストーンになるわけ?」と、面白おかしくフォローしてくれました(笑)

それにしても謎が多いイギリス文化。。。(*_*;

 

外来の不思議についてはまた後日レポートしまーす!