ぼーちゃんの英国医学留学な日々

2019年4月~Royal Brompton Hospitalに臨床留学中の循環器内科医のブログです

妊娠外来すごい!。。。と習い事第一回目☆

おはようございます。

突然午前のTeaching meetingが1時間遅れで始まることになったようで、さっきビクトリアがWhatsAppで知らせてくれました。ゆっくりご飯食べて病院に行こうとしているぼーちゃんです。

何しろこちらは日が長く、日の出は4時台、日没は21時台です。もちろん自宅には遮光カーテンやシャッターなんて日本的なものはありませんので、明るいと眠りにくいぼーは最近、無駄に早起きしております(;^_^A 当直室だと明るくても眠れるんだけど。。。なぜかしら???

まあ、朝勉強できる時間があるのと、弁当作りが余裕でできるので最近は朝活を楽しんでおりますけどね☆

 

さて、昨日は習い事のレッスン第一回目でした!

まだできるようになるかどうか不明なので内容は伏せます(笑) お師匠様が京都出身の先生ですごく優しい方だったのですが、褒められるたびに「あ、これはもしや京都人的なアレ?”ぶぶ漬け食べて~”的な?」とか被害妄想に陥りながらも、汗だくになって一時間やってきました(;^_^A

最近日本でも全然バドやっていなかったので、こんなに汗かくの久しぶりです!もちろん先生は涼しいお顔でしたけど。。。

東医体を思い出しました(笑) ぼーは生まれつき新陳代謝が良いのか汗っかきだったので、ただでさえ暑いバドの会場は大変でした。毎試合ごとに下着から何から全とっかえしないといけなくて、試合終わるたびに牧さんとトイレに籠って着替えてたっけなあ。。。決勝まで行くとダブルスだけで7試合くらいになりましたもんね。

 

と、全然話が脱線しましたが、昨日は初めて教授について妊娠外来に行ってきました!とにかく興味深かったです!

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今回は特に写真が無いので、自宅の近景です。テムズ河を自宅の反対側から。


えーと妊娠外来というのは、心疾患の患者さんが妊娠したときにいろいろな問題が起こることがあるので、産科と循環器で併診するような外来です。日本でもぼーの外来によく妊娠した心疾患持ちの患者さんが来られていましたが、なかなか前例がなかったりするのですごく管理に気を遣うのです。なので、この外来はとても勉強になりました。

まず、外来自体がRoyal Bromptonではなく、15分ほど歩いたChelsea & Westminster Hospitalというところで行われます。こちらは、VictorianなRoyal Bromptonの建物とは違い、近代的な「病院らしい」建物でした。Royal BromptonはChest centreなので循環器と呼吸器と小児科しかありません。それに対して、こちらの病院にはほとんどの診療科が揃っており、総合病院といった趣きでした。写真は撮り忘れたので次回。。。

 

産科のブースを使って行われ、産科の教授(だと思う)とうちのConsultantが同じ部屋の中で外来を行っていました!すごい!

メインは産科で、産科の先生が患者さんを案内してきて二人の間に座ってもらいます。その後産科→循環器科といった順番で患者さんとお話しし、問診をします。その後胸部の診察を循環器が、赤ちゃんのエコーを産科の先生がして、次回の予定を決めて終了です。

お母さんは様々で、ただのVSD閉鎖後の方から、TGA術後の方までいろいろいらっしゃいました。初回妊娠に限らず、2人目、3人目、4人目というお母さんもいました。上のお子さんも一緒に来てると可愛くて癒されます♡

たいていのお母さんはさらっと帰っていきますが、中にはやはり妊娠中や出産時の心配なこととか詳しく相談される方もいて、そのときには循環器の出番です!どういう合併症が起こり得るか、それに対してどういう準備をしていくかといったことを詳しく説明していました。

驚いたことは、平日の昼間外来なのに旦那さんが一緒に来るお母さんがすごく多かったこと!きっと「妻が病院を受診するから~」みたいな理由で休めるんでしょうな~(*_*)良いことだと思いますが、日本ではまだまだ難しそう。。。

午前中の外来だけで12人くらいを診察していましたが、とにかく診察室内に人が多くてこれもびっくりしました。産科の教授、うちの教授、産科の教授の補佐をする産科の女医さん、フットワーク軽く診察の手伝いをしたり患者さんを呼び入れたりする産科のFellow(たぶん)、うちの教授の補佐をするナース、見学の産科のアイルランド人、ぼーのFellow仲間のフランス人、ぼーという8人が常に在室している状態だったので、部屋はまるでラッシュ時の電車のような過密度。。。暑くて頭がぼーっとしました(;'∀') アイルランド人のアーシュラといろいろおしゃべりできて楽しかったですけど!

 

こういう外来は日本でもぜひ実施したいと思います!やっぱり同じ部屋で診察してこそ、産科の先生と齟齬無く診療の詳細を詰め、分娩までの準備を行えると思いました。

ちょうどお昼頃に別の産科の先生がお知らせに来てくれましたが、TGA術後のお母さんがひとり今朝がた出産に成功され、母子ともに健康とのことでした(*'▽') お母さんはBromptonのICUに入り、赤ちゃんはChelsea & Westminsterに移ってきたようです。母子が別の病院になってしまうのが難点、と言っていましたが、まあ徒歩15分の近場ですし、素晴らしい連携プレーだと思いました。

 

それと、実はもうひとつ大切な外来があります。

それは、妊娠「前」外来。

こちらはRoyal Brompton内で毎週月曜午後にやっているそうです。つい最近教えてもらったので、まだ見学に行ったことはなかったのですが、こちらもぜひ見に行きたいと思っています。

正直なところ、実は妊娠してしまえばそこから先は粛々と経過観察し、分娩様式を検討すればよいのですが、この妊娠するかどうか、できるかどうか、タイミングがどうか、というところのほうがもっとも重要です。よく日本の外来で、小児科から移行してきた女の子には、初対面の時点で「できちゃった婚はやめてね。子ども欲しい時点でお知らせしてね」ってお願いしていたものですが、実際これは先天心の女性患者さんにとっては生命にかかわる重大事項なのです。だから必要があれば事前に手術を検討したり、経験豊富な病院への紹介を相談したりと、準備万端で妊娠に臨めるように手配するのがわたしたちのお仕事です。

逆に、あなたは妊娠は難しいよ。。。とお知らせしなければならないこともあります。が、教授とその件について話していたら、絶対に患者さんに言ってはいけないことは「あなたは妊娠できないよ」ということだと教わりました。そう言ってしまうと、患者さんは「いいよ」と言ってくれる病院が見つかるまでドクターショッピングを繰り返すか、飛び込みで妊娠してきてしまうだけなので、そうではなく、「妊娠したら本人とお子さんにどういうことが起きるのか、家族にはどういうことが起こるのか」ということを丁寧に、時間をかけて説明し、患者さん自身にリスクを理解してもらうしかない、と教授は言っていました。

確かに。。。と納得させられました。

そのためにも、やはり「妊娠関連」には別の専門外来が必要だなと思います。きちんと説明するとなると、どうしても一人に30~60分くらいかかってしまいますし。。。ちなみにこちらの妊娠「前」外来からは、産科の先生に紹介して避妊の詳しい手段などについても患者さんに教育するそうです。

 

誰か熱意をもって協力してくれる産科の先生、うちの病院にもいないかなあ。。。