ぼーちゃんの英国医学留学な日々

2019年4月~Royal Brompton Hospitalに臨床留学中の循環器内科医のブログです

なんと、日本に帰ることに!

まさかまさかの展開で、なんと明日発の飛行機で日本に帰ることになりました(;^ω^)

どういう事情だったかと言いますと。。。

 

まずはVISAのこと。

ぼーは今、Academic visitorという1年間の研究VISAで英国に来ており、それが3月27日で切れるので、次のVISAを先日日本から申請し取得しておりました。同じ種類の1年VISAで、それが重ねては取れないので、3月29日スタートになっているのです。

そして新しいVISAをactivateするには、どこかの国に出国してまた再入国することが必須になります。イギリスに滞在したまま次のVISAには乗り換えられないのです。

そのため、当初はベルギーへの2泊3日旅行を予定しており、27~29日はユーロスターでブリュッセルに行き、ムール貝やスイーツを楽しもうとしておりました。

しかし。。。ベルギーにもウイルスの魔の手が伸び、昨日の時点ですべてのレストランや学校が閉鎖される事態に。。。デンマークやウクライナはすべての外国人の入国を禁止したとのことですし、ベルギーも時間の問題です。

そうなるとぼーは27日以降イギリスにいてしまうとオーバーステイになり、次の入国ができなくなる可能性があるため、とにかくどこかに行かなければ!でもまごまごしていると、入国を制限されてしまう可能性が。。。

なので、ヨーロッパよりはすでによっぽど安全な日本へと、日本が入国制限を始めて帰れなくなってしまうことも考慮し、早々に脱出することとなったのでした。

 

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先月行ったチェーン店、Nando'sのチキン!美味です\(^o^)/

ちなみにアメリカはヨーロッパからの入国を30日間禁止しましたが、イギリスだけは除いています。これ、なんで?と昔だったら疑問だったと思うのですが、実はやっぱりアメリカはイギリスの植民地なのですよ。。。(笑)こちらの某イギリス人の友人に、どこまでがイギリスの属国だと思っているか?と冗談で聞いたときに、カナダやオーストラリアはもちろんなのですが、なんとアメリカも属国と思っていることが判明して、びっくりしました(笑)

 

さて、ぼーが帰国するもう一つの事情は病院のこと。

12日の時点で院内の医師に感染が判明した後、怒涛のように次々にいろいろな方針が発表されてきました。

13日朝のMDTは、ほんとにやるの?って感じでしたが、緊急症例を当てられてしまっていたので仕方なく行きました。しかし集まったメンバーはまだ冗談半分な感じで、「ひとりずつ間空けて座らないと!」とかちょっとふざけながら言っているくらいで、全然危機感がなく。。。ちょっとオイ!って感じでした。ただ何人かの先生が、「いやいや冗談じゃなく、来週はほんとにどうするの?この会開くなんて正気?」みたいなことを発言して、ただ主任教授が不在だったので結局その場ではどうするか結論出ず。。。うーん。。。

イタリア人のジェシカが一番ピリピリしていて、12日から外科用マスクを一人装着し続けていて異様な雰囲気を醸しているのですが、MDT開催についてもめっちゃ怒っていました。12日の時点で彼女の上司であるコースタス先生に直談判し、来週から出勤しない旨を承諾してもらったと言っていました。ただイタリアには帰れないし、とにかく家にこもるわ!と。

その他のfellowはわりとまだのんびりしていて、外来行く?どうする?とか言っているくらいの状況で、それに対してもジェシカは怒っていました(笑)まあ、怒ってもしょうがないんだけど、気持ちはわからんでもない。

 

で、13日午後になって矢継ぎ早に院内メールが届き、正面玄関以外の出入り口をすべて封鎖、スタッフも職員証を見せて許可を得ないと院内に入れない、すべての研究は延期、事務方も基本すべて自宅からリモートワーク、患者さん面会禁止、外来縮小、予定手術は延期。。。などなどの方針が打ち出され、そうなると研究しかしていないぼーたちは何もやることがないため、ここにいても仕方がない。。。という感じになったわけです。

どうしてもこちらにいると、BBCニュースなどを見ていてもすべてが理解できるわけではないですし、情報の取捨選択が難しい。情報弱者になってしまうのが怖いのです。それにもし感染して状態が悪くなったとして、まともに対応してもらえるのか(特に英語が自由に操れないと)がかなーり疑問なのです。

しかも昨日スーパーに行ったところ、ペーパー類や保存の効くパスタ類、チップス等はすべて売り切れになっており、大変な混雑でした。みんな自宅にこもることを考えているのでしょうね。ちなみに、お米コーナーは全然でした。みんなどうやって食べていいかわからないのでしょう(笑)

イギリスの保健省の人が、我が国はイタリアの4週間遅れの状態にあるとか発言しちゃってましたし、ジョンソン首相はまだ13日の時点で「500人以上の集会禁止」とか言っていますし。。。500人!?5人じゃなくて!?と、ツッコミどころ満載です。

というわけで、なんだか中国の爆心地のようになりつつあるヨーロッパから早々に退避することを決めたのでした。

 

仲良しの日本人のお友だちを残して自分だけ逃げるみたいで心苦しいのですが。。。

日本に帰国後は母の車で成田から帰り、前橋の実家にこもります。日々群馬の田舎で診療している父ともなるべく接さないように気を付けます。