ぼーちゃんの英国医学留学な日々

2019年4月~Royal Brompton Hospitalに臨床留学中の循環器内科医のブログです

コロナウイルス騒動、早く治まってほしい。。。

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自宅近くのアルバート橋。おしゃれな外観で、夜はライトアップされます。

1月頃から始まったコロナウイルスの騒ぎ、日本は大変な状況になっていますね。ネットニュースでしかわかりませんが、マスクや除菌グッズが病院でも足りなくなったり買い占めが起きていたりと、とんでもないことになっているのを感じます。

 

イギリスでも感染者が徐々に増えており、昨日初の国内感染者の死者が出たということで、ここへ来てようやく緊迫感が増しているようです。

正直なところ、若年者が重症化することは稀なようなので自分の感染はさほど怖くはないのですが、それよりもアジア人への差別行為が怖いです。当初からフランスやドイツなどで派手な差別行為があったという報道は見ていましたが、2月中は比較的ロンドナーは落ち着いた様子で、特に気にせずに生活できていました。しかし2月末頃から、現地の駐在員さんなどお友達から、電車やバスの中で差別的な発言をされたりしたという話がちらほら聞こえ始め、数日前にはシンガポール人の留学生がオックスフォードサーカスというロンドンのど真ん中(高級デパート街の交差点なので普段は別に危ない地域ではない)で数人のイギリス人と見られるグループに暴行を受けるという事件が発生してしまいました。

ぼーの住んでいるChelseaは治安が良い高級住宅街なので、道を歩いていてもそんなに怖い感じはしないのですが、地下鉄などに乗ると、やはりピリピリしたムードを何となく感じます。駐在員さんのお友達は、会社への行き来以外の外出は控えているという方もいるようです。ぼーも、暗くなってからと酔っぱらいの多い週末の夜はなるべく出歩かないようにしています。

それにしても、自分の見た目だけで攻撃されるかもしれないという経験は今までにしたことが無かったので、何とも不気味な恐怖感があります。。。どんなに混乱に陥っていても日本に帰りたい😢アウェイ感が今まで以上にハンパないです。なるべく黒髪を隠すように、まとめ髪の上に毛糸の帽子をがっつり被って歩いています。あとすれ違いざまに何か言われないように、これ見よがしにイヤホンで音楽を聴いています。。。こんなふうにイヤホンで武装するなんて考えもしなかった(;^_^A

近所のスーパーはまだそんなに買い占めなどの状態はないようですが、ドラッグストアからは除菌グッズなどは消えてしまいました。ぼーは雑貨屋さんみたいなところで偶然置いてあるアルコール消毒剤を見つけていたので、いくつか買っておきましたので大丈夫ですが。とりあえず日本から両親が持ってきてくれていた食糧はたんまり自宅にありますし、最悪こもることになってもすべて揃っているので、そんなに心配ではないですが。。。ダイエット敢行中だし(笑)

 

Royal Bromptonにはコロナウイルス関連の患者さんは恐らく来ていないようで(呼吸器科もあるのですが、特に話を聞きません)、病院内は比較的落ち着いた雰囲気ですが、スタッフ向けの院内マニュアルが刻々と変化するため、頻繁に送られてきます。2月19日以降に日本含む感染地域から来たスタッフは、全員自分の部署の感染マネージャーに申し出るように、というようなお知らせも来たりしていました。(ぼーは2月8日に戻ってきたので大丈夫ですが、一応教授にはお知らせしたところ「No worry」と言われました。)同じ部屋に中国人の男子も一人いるので、周囲のFellowたちも最初は私とその子の家族のことをとっても心配してくれていました。が、今ではイタリアが大変なことになっているので、このタイミングで北イタリアに帰っていった2人の同僚が心配です。。。イラリアとエレーナ、大丈夫かなあ。。。

普段からこちらの人は医師含め誰もマスクをしていないのですが、院内でマスクの盗難があったようで、大変遺憾。。。というようなメールも回ってきていました。持ち運びできるポンプの消毒剤も外来から姿を消し、壁に備え付けのアルコールホルダーからのみ供給されるようになっています。

今日の外来はもっとDNA(did not attend)の人が増えるかと教授は予想していたようですが、2人のみで割と皆ちゃんと外来には来ているようでした。

 

ちなみに今日の外来ではクウェート人の見学のお兄さん二人と一緒でしたが、クウェートでもイランからの持ち込みで感染者が増えてきていてパニックだよ~と言っていました。暑い地域でも流行してしまうのだから、季節性は期待できないのかしら???

最近、イギリス史の本で勉強したのですが、クウェートやバーレーンも第二次世界大戦後にイギリスから独立した植民地なのですね。なので、クウェートでは5年のGeneralな内科トレーニングの後、循環器科などの専門を決めてから、イギリスやカナダで1年ほどの海外研修を積むのが一つのパターンなんだそうです。全員じゃないけど、海外研修をしているとNational doctorというような国家医師?みたいな資格をもらえるので、就職に有利なんだみたいなことを言っていました、たぶん。

 

教授からも、日本の状況についていろいろ聞かれました。学校は閉鎖されたの?とか、Kanaの病院は患者対応しているの?とか。。。わかる範囲で答えましたが、こんなときに日本で皆と一緒に戦えず、医師免許もまだもらえないので研究しかできることがない。。。というのはかなり無力感があります。ほんっと帰りたいわ~!

 

月末に新しいビザをactivateするためにベルギーに一旦出国する予定を立てていたのですが、果たして行けるのかしら。。。

とにかく、とにかく早くこの騒動が落ち着いてくれるのを願うばかりです。

皆さんも大変な混乱の中かと思いますが、くれぐれも落ち着いて行動してくださいね。